2024年12月26日木曜日

園だより 令和7年1月号

 木の枝にわずかに残る枯れ葉が風に吹かれて揺れている姿を見ると、見ているだけで冬の寒さを感じてしまいます。陽気もすっかり冬になり、クリスマス、お正月がもうすぐそこまでやってきました。令和6年を振り返り、自分のこと、家族のこと、世の中のこと、うれしかったこと、満足したこと、後悔したこと、達成できなかったことなどなどいろいろな出来事があったと思います。「過去は学ぶもので、こだわるものではない」という言葉を聞いたことがあります。令和6年を振り返りながら、良いことは年を越し、良くないことは年を越さず、令和7年への抱負をしっかりと頭に思い描いて新年を迎えたいですね。令和7年が皆様にとって素敵な一年になることを願っております。

 

 さて、一日の最高気温が10℃を下回る日も出てきて、まさに凍えるような寒さを感じる季節になりました。毎朝布団から出るのが辛く感じます。できればずっと暖かい布団の中にいたい気持ちは大人も子どもも一緒でしょう。明日から冬休みに入り、年末年始でご家族で過ごす時間も多くなると思いますが、今回は睡眠についてのお話を少しさせて頂きたいと思います。

 近年急速に発達した情報通信機器。とても便利なツールである一方で、使い方によっては体に悪影響を及ぼす危険性もわかってきました。視力など目に与える影響は簡単に想像がつくものですが、睡眠の質にも影響を及ぼすそうです。そして、保護者の使用頻度・依存度によってその子どもへの影響も大きくなっていくと言われ、子どもの睡眠障害や情緒・行動面にも影響を及ぼすと言われています。通信機器の光は子どもにとっては大人の2倍の照度となり、脳のメカニズムである体内時計に影響を与えます。特に夜は睡眠を助けるメラトニンというホルモンの分泌が妨げられ、夜の睡眠・昼の覚醒のバランスが崩れてしまいます。日本小児科医会では「メディア漬けの予防は乳幼児から」として、2歳までのテレビ・ビデオ視聴は控え、すべてのメディア接触は一日2時間までを目安とし、子ども部屋にはビデオやパソコンは置かないことを推奨しています。「スマホやタブレットでYouTubeやアニメを見せておくと、大人しくしてくれて助かる」と思っている保護者の方がもしいるとしたら、その考え方はとても危険です。子どもの将来に悪影響を与える可能性がありますから、気をつけましょう。

 また、冬休み中はお家の中で過ごすことが増え、暖かくて気持ちよくリラックスする時間が増えると思います。お昼寝についても少し注意が必要です。午睡(お昼寝)の時間は年齢とともにその必要度が低下します。必要以上の午睡の取り過ぎは、一番大事な夜の睡眠の妨げとなってしまうので、気をつけましょう。

 子どもの睡眠は大人と同じではなく、12歳児は1112時間程度、36歳児は1011時間は確保するべきと言われており、日中の活動に合わせた起床時間を考えると、必然的に就寝時間が決まってくるはずです。大人の生活サイクルに合わせた就寝時間では圧倒的に睡眠時間が足りません。その点も踏まえて、子どもの生活サイクルを確立して過ごすように心がけましょう。

園長 藤本 志磨

2024年12月3日火曜日

園だより 令和6年12月号

 朝夕はすっかり寒くなり、日中も寒さを感じる日が増えてきました。毎年素晴らしい紅葉を見せてくれる赤楓の木は、一番上から徐々に鮮やかな赤色に変わってきていて、黄色から赤へのグラデーションがとてもきれいです。果たして今年はいつ頃に真っ赤な楓に変身するでしょうか。今年も今からとても楽しみです。

 今後は気温の低下とともに体調を崩すお子さんも増えてくることが予想されます。コロナ禍以前は珍しくはない程度に名前が知られていた感染症でも、コロナ禍以降は感染者が急増して流行するケースが増えてきたように感じます。世の中もマスコミも以前より敏感になっているからかもしれませんが、感染症の中には稀に合併症などで重症化してしまうケースなどもあります。また、予想していたものとは違う別の病気の診断を受けるケースもあります。早く回復して元気になるためにも決して安易に考えずに病院を受診し、医師の診断を受けて指示に従うようにしてください。お子さん自身のことだけではなく、園や周囲の人たちに感染を広げないためにも、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。


 この紅葉の時期になるとホールから聞こえてくる賑やかな音。今年も恒例の発表会に向けて、練習が大詰めを迎えています。まだ舞台上で恥ずかしそうにしているお子さんもいますが、日々心の中で様々な自分と戦っていることと思います。

大人も子どもも自分の中にはいろいろな自分が存在しているものです。「強い自分」と「弱い自分」、「積極的な自分」と「消極的な自分」、「優しい自分」と「いじわるな自分」、などなど。みんな誰しも自分が憧れる「なりたい自分」があって、いつもそうなりたいという気持ちを必ず持っていると思います。でも、実際にはそう簡単に「なりたい自分」にはなれないものだと思います。自分の考え方や芯がしっかりとしていて、自分に自信が持てていれば迷うことなく行動し、それほど難しいことではないように思えますが、とっさに冷静な判断ができなかったり、勇気が出なかったりなど、後になって後悔することもあるのではないでしょうか。場合によっては自分を責めたり、落ち込んだり、自暴自棄に陥ることもあるかもしれません。

でも、人間はそんなことがあって普通だと思っています。私も日々後悔だらけです。むしろ、「自分はいつも完璧!」そう思っている人がいるとしたら、それは凄いことだと思いつつ、勝手ながら私はその人が少々心配になります。自分が未完成だと知っているからこそ他人の意見に耳を傾けたり、理想の自分に近づくために努力や工夫をしたりすることができます。また、その同じ至らぬ点を持つ人の気持ちを理解したり共感したりすることもできます。ある意味自分の弱点は、自分が成長する原動力になります。だから、自分の弱点を知ることは強みを知ることと同じくらい大切なことだと思っています。

子どもたちは、この発表会で心の中のいろいろな自分と戦っています。是非、その自分自身との戦いに勝って、新たな自信を掴み取ってほしいと思います。

みんな、がんばれ!

園長 藤本 志磨

園だより 令和7年1月号

  木の枝にわずかに残る枯れ葉が風に吹かれて揺れている姿を見ると、見ているだけで冬の寒さを感じてしまいます。陽気もすっかり冬になり、クリスマス、お正月がもうすぐそこまでやってきました。令和 6 年を振り返り、自分のこと、家族のこと、世の中のこと、うれしかったこと、満足したこと、後...