2024年7月11日木曜日

園だより 令和6年7月号

 ようやく関東も梅雨入りして、気温だけでなく湿度も一気に高まってきました。あらためて、夏場の最大の敵は湿度だなと感じます。もちろん近年の地球温暖化による気温上昇も大きな問題ですが、湿度の高低によって体感温度は大きく変わり、熱中症のリスクにも大きな影響を与えます。この不快感はある意味日本の夏の風物詩ではありますが、これだけはいつまで経っても好きになれません。せめてこの湿度だけでも何とかならないものか、と思う毎日です。

 この梅雨時は感染症も流行しやすい時期でもあります。ご家庭での健康管理と健康チェックを徹底していただき、感染症拡大防止にご理解とご協力をお願いいたします。

 

 さて話は全く変わり、最近ニュースでよく取り上げられている東京都知事選挙ですが、本来は候補者の政策の内容が大切なはずが、候補者の掲示板の話題の方が注目を集めています。ご存じの通り、選挙や政策、候補者とは全く関係のないようなポスターが貼られている件です。さらに、それらの行為は現行の公職選挙法では対応できないような内容ということで、強制力のある対応がなかなか難しいようです。想定外の行動をする人が出てきたために、対応不可になっている状況ということで、早急に法改正をしなければという声が出ています。

 ただ、法改正はもちろん必要な状況だとは思いますが、私は同時に日本の今の風潮やそもそもの人間教育という点を問題にしなければならないのではないかと感じ、この先の日本という国の行く末を案じています。

近年、インターネット環境や情報ツールが普及したこともあり、昔と比べると比にならないほどの情報が飛び交って、良いことも悪いことも好きなだけ目や耳にすることができるようになり、そこから波及したサービスも増えてとても便利になりました。また、昔に比べていろいろな面で自由度が上がりました。本当であれば昔に比べてとても幸せにのびのびと楽しく暮らせる世の中になっているはずです。

 しかし、実際はどうでしょうか。これまで築かれてきた「常識」は良いことも悪いこともどんどんと破壊され、今の日本は何でもかんでも「自由」や「多様性」や「権利」を主張する。でも、自分の「自由」や「多様性」を主張する割には、他人のことには干渉したがり、自分の考えに反する他人の発言や行動に対してはクレームをつけたり、SNSで総攻撃を加えたりして、時には人を死にまで追い詰めてしまう。また、マスコミも流行のようにすぐ「〇〇ハラスメント」と名前を付けては騒ぎ立て、極一部の声をあたかも多くの声のように伝える等々。もはや今の世の中を無難に生き抜くためには、できるだけ他人と関わらず、自己主張せず、目立たずに生きていくことがいいのかな、とすら思えてしまいます。

 自由度が増し、便利になった世の中のはずが、常に周囲を気にして発言・行動をしなければならず、精神的にとても窮屈な世の中になってしまいました。逆に周囲の目や声など気にもしない、やりたい放題したい者にとってはとても生きやすい世の中になったのかもしれません。これからそんな大人がますます増えてきたら、と思うと不安しかありません。この状況は本当に良くない、そう思う今日この頃です。

園長 藤本 志磨

園だより 令和6年10月号

  ようやく暑さが和らぎ、待望の秋がやってきたようです。食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋、この時期ならではの楽しみ盛りだくさんの季節です。ここ数年はあっという間に秋が通り過ぎて、急に冬がやってくるという印象がありますが、今年は是非秋を満喫する余裕が欲しいものです。  幼稚園で...